小鳥&雛鳥&渡り鳥

前のページに戻る

1997年某月某日


「殻の中の小鳥」・・・ジャンル分けで言えば「メイドさん調教ゲーム」とでも言うのでしょうか?
実際の所、あまり前評判の高いゲームではありませんでした。
(雑誌とかでも発売前から「小鳥」についてアナウンスしていたのは私の知っている限り「E-LOGIN」だけでした)
私自身ゲームを買う際は、雑誌とかから情報を得て決めていますので「殻の中の小鳥」というゲームに関しては、どのようなゲームなのかほとんど知りませんでした。

しか〜し!、忘れもしない1996年3月10日!
特に用事もなくフラフラとパソコンショップ(ソフト専門店)に入っていったらそこに「小鳥」がいました。
私は買い物をする際は、必ず事前に「何を買う」って決めてから買いに行くので、店頭で見てから何かを買うと言うことはほとんどしません。
でも、その時ばかりは違っていました。

「殻の中の小鳥」というゲームに対して、何となく運命的なもの(ちょっと大げさか?いやそんなことは無い!)を感じたのです!

もちろん「小鳥」を買うことに際し、私が「メイドさん好き!好き!」ということが関係していたのは、否定はしません。
あの時、パッケージがメイドさんな4人衆でなかったら、パッケージを手に取ることもなかったのかもしれません。
でもあの時、確かに私は「殻の中の小鳥」というゲームに対してピンと来るものがあったのです。

私はゲームに関して結構ブランド志向(?)というか、そういったものがあって「○○(ソフトハウス名)の 作っているゲームだから買う」・・・ということを、結構してしまいます。
(ゲームでこういう買い方をするのって駄目なことだな・・・とは思っているのですけどね)
失礼な事ですが当時私は「(PC-98版)小鳥」の版元である「BLACK PACKAGE」というソフトハウスを知りませんでした。
普段の私でしたら、よく知らないソフトハウスのゲームなんか絶対に買わないのですが・・・やはり運命的なものを感じたから・・・なんでしょうねぇ。

とにかく私は「殻の中の小鳥」と出会い、そして購入しました。

余談ですが、その時私はほとんど(ていうか、全然(^^; お札が無かったくらい・・・)お金を持ってなかったのでクレジットカードで買おうとしたら「うちはカード使えません!」って・・・。
ガ〜ン!(ショック20%&うっひゃあ、恥ずかしいぃぃ80%)
もちろんその直後に大手パソコンショップに走ったのは言うまでもありません。
(実はクレジットカード3年くらい前に作ったんだけど、一回も使ったことがなくて・・・。だから初めてクレジットカードを使って買い物したのが「殻の中の小鳥」だという・・・(^^;;;)

・・・え〜と、ちょっと話がそれましたが、真面目に小鳥の面白いところを私なりに・・・

「殻の中の小鳥」がこれだけ人気がある秘密は、やはり「愛」にあると思います。

先にも書きましたが、「小鳥」はメイドさん調教ゲームです。
最近の美少女ゲームに於いて、いわゆる「調教もの」は既に一つのジャンルとして確立してると言っていいでしょう。
でも、私は正直なことを言ってしまうと「調教もの」は嫌いです。
「なに言ってんだよ、小鳥も調教ものだろ?」と皆さんは思われるかもしれません。
確かにそうです。
平たく言えば「殻の中の小鳥」はいたいけな女の子を一流の娼婦に育て上げる・・・そんなひどいゲームです。
・・・だけど、このゲームは他の「調教ゲーム」とはまったく違います。
なぜか?

このゲームにはがあるからです。

最近巷にあふれている調教ゲーム、しかしそのほとんどが「主人公がただ単に女の子を虐めるもの」や「自分にとって都合のいいように女の子を仕立て上げる」というものばかりです。
「殻の中の小鳥」において主人公は仕事で女の子の調教をしています。
それは自ら進んで行っているのではなく、(主人公の過去に於いてはどうだったのかわかりませんが、少なくとも現在は)成り行き上女の子を調教することになったのです。
それで主人公は女の子に対して調教を進めていくのですが、その調教を進めていく際に主人公の女の子に対する愛(優しさ)が見え隠れするのです。
主人公は「自分の仕事として女の子を立派な娼婦に育て上げなければならない」というプライドと「彼女たちにこんなことをしてもいいのだろうか?(自分も彼女たちもこんな事をしていてはいけない)」という良心とに挟まれつつ、それでも自分に与えられた仕事をこなしてゆく・・・。
調教される女の子達も、はじめは主人公に対して恐れをいだくか、または主人公を憎みます(一部の女の子は除く)。
しかし時折見せる主人公の優しさに対し、彼女たちも次第に心を開いて行く・・・。

もうここら辺のやりとりなんてたまんないです!めちゃめちゃラブラブです!
ときメモや某級生なんて、話にならないです。

また会話やその他において、あまり説明的になりすぎていない、と言うこともかなり成功しています。
「この前にはきっとこういったやりとりがあったんだ!」とかいう風に、プレイヤーの想像意欲を高めてどんどんゲームにはまっていってしまうのです。

モノローグというか、主人公の語り口もくどくどとした説明的なものでなく、それがまたかっこよくてプレイヤーをどんどんゲームの世界に引きずり込んで行きます。

女の子達に関しても、「彼女は○○であり、××だった」などといった説明的なものはほとんど出てきません。 女の子達の情報はすべて彼女達又は彼女たちを知る者のとの会話、及び主人公の憶測からしか得ることができません。
かといって、ゲーム内容やストーリー等が漠然としているかといえば、決してそうではありません。
裏ではかなりしっかりとしたバックストーリーが出来上がっているはずです。

そうしてプレイヤーはそれらゲーム中に少しずつ与えられる様々な情報を元に、どっぷりとゲームの世界に浸かることができるのです。

何かこう上手に説明することができませんが、とにかくそういことです(さっぱりわからん(^^;;;)

ストーリーとかそういった話ばかりだとアレですので、ゲームとしての出来そのものについても書きます。
「殻の中の小鳥」は最近の美少女ゲーム全般から見れば、H度は低い部類にはいると思います。
(しかし前述のようにゲーム世界への感情移入度が高いので、Hシーンでの萌え萌え度(?)はかなり高いです)
また、ゲームとしては単純な作業の繰り返しなので、ストーリー及び世界観にはまれなかった人には、結構つらいかもしれません。
(ハリウッド映画的なドラマチックな展開とかいうものもありませんので、「つまらない」と思った人にはとことん面白くないゲームだと感じるかもしれません)

しかし、単純作業の繰り返しだからと言って、簡単なゲームかと言えば決してそうではありません。
まぁ、コツをつかんでしまえば割と簡単な部類にはいるかもしれませんが、なかなかに攻略し甲斐のあるゲームだと思います。
(頑張れば「お茶くみ」だけでトゥルーエンドを見ることもできます。クレアさんは私専用なのだ!誰にも手は出させん!)

ゲーム自体もあまり重いゲームではありません。
私の98ノート(386SX-16MHz)でもかなり快適に遊べます。
セーブ箇所も多く、システム的にストレスを感じることはあまり無いでしょう。
(ただしWin95版は結構細かいバグ等もありますので、多少ストレスを感じるかもしれません)

96年の美少女ゲーム界はリーフ一色といった感じでしたが、私は自信を持ってこう言い切れます
1996年最高のゲームは「殻の中の小鳥」である!と。

(そして1997年最高のゲームは「雛鳥の囀」となるであろう・・・ていうか、めちゃめちゃ期待しているので、面白くなかったら困る(^^;;;)